ハヤ・ヤマベ毛鉤の世界

日本で一番標高が高い地点は富士山頂上です。

では、平均標高が最も高い都道府県は?

 

1位は長野県で1,132m、とのこと。

偏差値にすると85.9となり、飛び抜けた数値になります。

 

2位は山梨県で995m。

やっぱり南北日本アルプスを擁する両県は強いですね。

3位以下は群馬県、岐阜県、富山県の順。

いずれも名川が流れる、フライフィッシャー憧れのエリアです。

 

ではでは、最も標高が低いのは?

 

私は間違いなく沖縄だと思ってましたが、沖縄は2位で平均標高は82m。

ぶっちぎりの最下位は、なんと我が千葉県で45m。

偏差値では35.3で、デキソコナイもいいとこです。

高い山が無いのは重々承知の上でしたが、まさか沖縄より低いとは。

ちなみに3位以下は茨城県、長崎県、大阪府の順になるそう。

 

コレってフライフィッシング人気にある程度比例してますよね。

なんと言ってもフライと言ったらトラウト。

ヤマメ、イワナが釣れなきゃ話にならないわけで。

 

それでも3位以下の茨城、長崎では、少ないとはいえヤマメが釣れる川はあるし、大阪にもどうやらアマゴは生息しているらしい。

天然の鱒がいないのはドベ1、2の千葉と沖縄だけ。

そもそも亜熱帯気候の沖縄は別枠として考えると、いかに千葉県民フライフィッシャーの置かれた環境が厳しいかが見てとれます。

渓流釣りがしたいと思ったら、時間とコストをかけて、県を跨いで移動しないとならないわけです。

プロショップが無いのも致し方ないところ。

 

しかし、鱒無し県の千葉にも一応、渓谷と呼ばれるエリアがあります。

そして、そこにはヤマメはいなくともヤマベがいる。

 

千葉では有名な清流、養老渓谷の粟又の滝。

前置きがだいぶ長くなりましたが、遠い渓流までなかなか足を運べない千葉県民の私にとって、主戦場はやはりウォームウォーターとソルトウォーター。

そのうち、温水部門の主役はヤマベ、すなわちオイカワになると思います。

 

いつでも行けると思うとなぜかなかなか足が向かないもので、今まで狙ったことは無かったオイカワ。

どうやらドライでもニンフでもウェットでも色々なやり方で楽しめるらしい。

練習相手と言っては失礼だけど、渓流フライフィッシングの基礎を身につけるにはいいかも。

「寒バエ」なんて言葉もあって冬も狙えるっぽいですし。

 

「青虫」と「音羽」。
パーツの色が違うくらいで基本構造はほぼ一緒。

 

フライは#18くらいのを適当に使おうと思ってましたが、日本古来のハヤ・ヤマベ毛鈎が中古釣具店で売ってるのを見つけて、かなり興味を惹かれました。

 

見た目はほぼソフトハックルですが、印象的なのがそのパターン名。

「音羽」「青虫」という和の響きがなんともかっこいい。

他にどんなのがあるかと思って調べてみると「清姫」「猩々」「灰孔雀」「二葉」などなど。

それぞれに風流な銘が付けられているのがいいじゃないですか。

 

ハヤ毛鉤の特徴としては下記の通り。

 

・基本構造はソフトハックルと同じ形で、ボディ(胴巻)とハックル(蓑毛)のみ。

・ヘッドにビーズヘッド(金玉)がついている。本来は漆で球を作るらしい。

・ボディエンドにも塗料をつけて先玉と呼ばれる球状にする。

・フックは袖針3号前後が使用される。アイが無いため、チモトにハリスを巻く。

・マテリアルは当然ながら和のもの。カラス、雉、鶏など。

 

なるほど。

 

伝統的な形式に則って巻こうとするとハリスが邪魔になるし、マテリアルも無いので手近な材料でそれっぽいように幾つか巻いてみました。

 

TMC206BL #22に巻いた「清姫」風のなにか。
iPhone SEのカメラでは限界の小ささ。

 

「清姫」のつもりでしたが、まるで別物が出来上がりました。

本来の清姫は、黒の蓑毛に赤と黒を交互に巻いたボディ。

胴巻の最後尾だけ赤にしたものは「蛍」と呼ぶらしいですが、自分が作ったのはこっちに近い。

それともやっぱり違うんですけど。

まあ不恰好なことこの上ないので、上手く巻けるようになるにはある程度数をこなさないと。

  

しかし、自分のタイイングスキルを超えた#22というフックサイズに悪戦苦闘。

これより小さい#28とか#30とか、とても巻けるようになる気がしませんわ。

それでも、「ミッジは必要なら買えばいい」とタイイングは諦めていたので、こういうのをきっかけにチャレンジしていこうかなという気になりました。

オイカワ以外にも使えそうですしね。

 

巻かなきゃいけないフライが多過ぎて、ボックスがヤマベ毛針で埋まるのは当面先になりそうですが、身近なターゲットを楽しむためにも、ポイントは徐々に開拓していかなくては。

 

シーバスで有名な小櫃川源流部の風景。
どこまで行ってもとにかくフラットな千葉の川。