フライフィッシングにおいて、決して主役にはならないけども不可欠なもの、それがバッキングライン。
タックルには並々ならぬこだわりを持つ人が多いフライフィッシングでも、バッキングにこだわる人ってあまり聞いたことがありません。
ロッドはバンブー、リールはヴィンテージのハーディー 、フライラインはシルクライン、
そんな人たちがいったいどんなバッキングを使ってるのか、ちょっと気になります。
ショップに行っても選択肢はほとんどなくて、太さは20lbから30lbで、色もホワイトかチャート、たまにオレンジがあるくらいでしょうか。
フライ関連の本やネットを見てもバッキングラインについての情報は驚くほど少ない。
自分もよく理解できていないことも多いので、今考えていることをつらつらと書いてみようと思います。
まず選択肢となるのは強度。
20lbか30lbか。
テストして強度を設定してあるんでしょうが、手元にある20lbラインを見る限り、コレをぶっちぎる魚ってGTとかマグロくらいになるんじゃないかな、と。
20lbは約9kg。
ブリクラスの青物の引きにさえ十分耐えられそうな太さがあります。
実際の釣りにおいて、強度的には20lbでほぼ用は足りそう。
ただ、バッキングラインの場合、そもそも細くする理由が思い当たらない。
むしろ太ければ太いほといいんじゃないかとさえ思えます。
バッキングを巻く理由は大きく二つ。
一つは巻き癖がつかないようにするため。
最近はラージアーバーのリールも増えてますが、古いハーディーなんかを使おうとした場合、細いスプール軸に直接フライラインを巻いたらコイルみたいにクリクリになってしまいます。
そうならないようバッキングを巻くわけですが、太いラインのほうが巻く回数も、巻く量も少なくて済む。
渓流用の小さいリールだからといって30lbではなく20lbにする理由は特にないのでは?
もう一つは大物が掛かったときのため。
フライラインの設計はだいたい30m前後なので、それ以上ラインを引出された時にはバッキングラインの出番となります。
その際にはある程度の強度は必要になると思いますが、どこかでラインが切れるとしたら、ほぼティペットかリーダー、または幾つかある結束部分がやられるはずなので、バッキングが20lbだろうが30lbだろうがあまり関係なさそう。
ここでも細いことによるメリット、太いことでのデメリットは無いように思えます。
キャスティングにもほぼ無関係。
他の釣りでは、糸は細いほど飛距離が出るのは周知の事実。
でもフライの場合、キャスティングにバッキングラインは無関係なので、飛距離も太さとは関係ない。
じゃあCFOⅢだろうがリップタイドだろうが30lbでいいじゃん、と。
いや、となるとフライメーカーのバッキングラインでさえ無くても良いのでは、と。
PEでいいんじゃね!?
PEラインのほうがお財布にも優しい上、どこでも入手しやすい。
そして、PEラインは細いほど高く、太いほど安い。
バッキングラインの用途を考えると太くて安いPEが一番良さそうです。
実際使っている人も多い様子。
ちなみにティムコのカタログにあるSAのバッキングラインは、30lbの100ヤード、約91mで税抜1500円。
一方、中国の釣具メーカー、GOTUREのPEライン8号80lb、500m巻が1599円。
コスパを考えたらその差は圧倒的です。
さっそくAmazonで買ってみました。
そして、その結果、PEはやっぱりやめておこうという結論になりました。
PEラインはポリエチレン製。
ダイニーマ素材を使っており、染色ができないらしいのです。
僕はリールやフライラインにあった色のバッキングが欲しいというのもあって、ブルー単色のPEを買ったんですが、塗装されているだけなので色落ちが激しく、リールを洗ったら、洗面所が青く染まりました。
中国製の安いものだからなのかもしれませんが、PEラインの特性上、どこのメーカーのものでも少なからず色落ちするようです。
となると、間違いなくフライラインに色移りするでしょう。
別に色移りは気にしないという人や、そもそも染色していない白のPEであれば問題ないと思われます。
なので、選択肢としてはアリだと思いますが、自分としては積極的には取り入れないかな、と。
で、元に戻ってダクロン製のバッキングラインを探し求めている今日この頃。
リオ のカタログ見るとカラフルなラインナップが揃っているようなので、ちょっとずつ揃えて行きたいと思ってます。
結局、太さについての疑問は残ったままですが。