フライロッダーズ廃刊を惜しむ

少し前の話ですが、2019年3月、衝撃的なニュースを耳にしました。

株式会社地球丸の破産。

2012年にUFMウエダが解散となった時以来のショックでした。

株式会社地球丸 破産申請

 (株)地球丸(TDB企業コード:984557165、資本金3200万円、東京都港区新橋6-14-5、代表大下裕司氏)は、2月27日に東京地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は、岩知道真吾弁護士(東京都中央区日本橋室町1-12-15、尾崎法律事務所、電話03-6214-3222)。

 当社は、1985年(昭和60年)6月に設立された出版社。当初は、大手アウトドア出版社の関係会社として、プロダクション業務を担っていたが、95年に出版社として独立、翌年には雑誌『夢の丸太小屋に暮らす』を創刊していた。ルアー&フライフィッシングの専門誌『Rod and Reel』など各種アウトドア専門誌の出版社として知られるほか、『天然生活』の名前で一般誌にも進出。2004年2月期の年売上高は約13億8800万円を計上していた。

 しかし、近時は販売部数が低迷し、2018年2月期の年売上高は約6億2000万円に急減、厳しい資金繰りを余儀なくされていた。2018年には代表の交代を経て、『Rod and Reel』も2018年6月号で休刊になるなど、事業の縮小が続き、今回の措置となった。

 申立時点の負債は、債権者約700名に対し約7億1700万円。

引用元:帝国データバンク – Yahoo!ニュース

釣り雑誌を取り巻く状況

最近はまず買うことはありませんでしたが、バスやシーバスにハマっていた頃、雑誌「ロッド&リール」や「ソルトウォーター」はよく読んでいました。

昨年、そのロドリが休刊になると聞いた時は、驚きはしたものの、「バス人口そんなに減ってるのかなぁ」なんて軽く考えてました。

別の出版社でのことですが、トラウトルアー雑誌「Gijie」も一時は休刊となったものの現在は復活していますし、もしかしたらまた形を変えて出てくるかもな、と。

しかし、バス関係よりはるかに購読者が少ないはずのフライロッダーズは大丈夫なのかとは心配でもありました。

2015年に隔月から季刊になっていたのは知っていたため、売行きは好調でないことは想像できましたが、まさか地球丸自体が消えることになるとは。

フライフィッシャーとフライロッダーズ

僕がフライをはじめた当時、フライフィッシング関係の雑誌といえば「フライフィッシャー」と「フライロッダーズ」のほぼ2択。

なんとなくフィッシャー派とロッダーズ派、それぞれ購読層は別れていたようでしたね。

(もちろん他に「フライの雑誌」もありましたが、ほぼフライ専門店でしか買えないうえ、内容的にも初心者の選択肢から除外されました。)

僕はフライロッダーズ派でした。

フライフィッシャーは、表紙をはじめ掲載されている写真は綺麗なものばかりでしたが、内容と言えば釣行記やエッセイ、紀行文ばかり。

購読対象を完全に団塊の世代以上のベテランとしているようにしか思えず、ほとんど買うことはありませんでした。

一方、フライロッダーズは、やはりビギナー向けとまでは言えないにしても、それなりに実践的な内容も多く、勉強のために購読してました。

その後、バックナンバーも集め始めてみると、今では絶対やらないようなユニークな企画も多くて非常に勉強になった覚えがあります。

特にタイイング関係が充実していて、今でも参考のため古い号を引っ張り出すことが多いです。

個人的には2005年前後が一番面白かったように思いますね。

また、定期刊行のフライロッダーズ以外にも、別冊としてフライ関係の本がけっこう出されていました。

初心者向けの入門書も多く、はじめたばかりの頃は何度も読み返していたものです。

それが2019年春号を最後に敢え無く地球丸が倒産。

出版元が存在しない以上、休刊ではなく廃刊というしかないでしょう。

当然、別冊関係も今後は出ないわけで、これでまたフライをはじめようとする人が頼れるものが減ってしまいました。

最後に

フライロッダーズ Vol.1の発行は1998年。

当初はロッド&リールの別冊としての刊行がしばらく続いたのち、2001年から地球丸の正式なフライフィッシングメディアとして改めて創刊となりました。

それからおよそ20年。

誌面作りに力を尽くしてきた方々には心から感謝したいと思います。