メバルのフライフィッシング

釣りものが少なくなる1月。

そんな中、貴重なターゲットとなるのがメバル。

産卵のために冬に接岸し、水温が上がるGW頃まで狙えるライトソルトウォーターの人気魚種です。

1月から2月はちょうどスポーニング真っ只中のため、釣果自体は落ちる傾向にあるものの、漁港内に残っている小型を中心に数釣りを楽しむことができます。

タックル

【ロッド】

1本選ぶとなったら、ある程度の風を想定して9ftの5番が汎用性が高いです。

魚のサイズを考えると3番や4番でも問題ないし、むしろ楽しさでは低番手のほうが上。

ただ、風速3mを超えると途端にキャストしにくくなるはず。

またゴロタや磯、ガイドボートなどでは飛距離が出せたほうが有利。

状況とフィールドによって4番から6番を使い分けられたらベストですね。

【リール】

ロッドとバランスが合ったものなら何でも良いかと。

漁港のコンクリートに頻繁に置くことになるので傷がつきやすいことに注意。

あえて言えば、シーバスなどの大物がかかる可能性もあるのでディスクドラグが良いかも。

ライトラインを使うのでドラグ性能に助けられることがあるかもしれません。

遠投の必要がなければ低番手ロッドのほうが楽しい。エゾメバルは足元にたくさんいました。

【ライン】

初めての場合はWFのフローティングをオススメします。

ナイトゲームが主体なので、慣れないうちはシンキングを使うと思わぬトラブルになりがち。

ちょっと目を離した隙に岸壁の牡蠣にラインを取られたり。

表層をスローに漂わせるように引いてくる釣り方がメインなのでフローティングで十分。

沈めて攻めたい場合はフライパターンやショットを付けるなどすれば対応は可能です。

フライの場合、暗い中での釣りはルアーや餌釣りと比べてラインの取り回しにかなり神経を使うので、トラブルをいかに少なくするかが重要です。

夜釣りに慣れたら、徐々にラインを増やしていけば良いでしょう。

インタミやタイプⅣまで揃えればだいぶ攻められる場所が広がります。

でも、シンキングのフルラインは5番以下の選択肢が少ない。

シューティングヘッドにて調整が必要となるので、そういう意味でも慣れた人向けです。

【リーダー&ティペット】

遠投してリトリーブする場合、しっかりとターンオーバーさせるためにも9ftの市販のリーダーにフライ直結が良いです。

ベストはフロロですが、コストを考えるとナイロンになりますね。

結び目で絡む可能性を極力排除するためにティペットはなるべく使いたくないところ。

これも夜釣りだからこその対応です。

太さは4Xが基準ですが、シーバスがヒットする可能性が高い場所なら2Xか3Xにします。

また、#16くらいの極小フライを使うケースはそれに合わせて5X、6Xの細いティペットを足します。

メバルの水中姿勢。立ち泳ぎ気味に上層を見上げて餌を待ちます。

リトリーブについて

「メバリング」で検索するとルアーでの釣り方が出てきますが、ワームでもプラグでもスローのただ巻きが基本中の基本です。

まずは表層を向いてホバリングするようにエサを待っているメバルの上を一定の速度でリトリーブすることが重要。

メバルはゆっくりと等速運動を続けるものに対して反応がいいようなので、ピッ、ピッと小刻みにストリッピングするのではなく、フライが常に動き続けているようにラインを回収する必要があります。

自分は両手引きを使っていますが、フィギュアエイト、ハンドツイストができればスムーズにリトリーブできるはず。

等速スローリトリーブがダメなら、リフト&フォールを入れたりアクションに変化をつけてみます。

一つのやり方にこだわるのではなく、色々と試してみるのはどの釣りも一緒ですね。

大物を狙う場合は表層ではなくボトムを狙うほうが効率的です。

ルアーマンの友人は、夜の磯で藻場の切れ目に小型のメタルジグを落とし、ボトムシェイクさせて大型のみを選んで釣っていたりします。

根がかり必至だし、かなりの腕と経験が必要な釣りなので自分にはまだ無理ですが、フライでもやり方次第で同様に狙えそう。

メバルのフライフィッシングもまだまだ開拓の余地はありますね。

また、「サイズには拘らない。とにかくボウズは避けたい」という場合、キャストせず、足元を狙うという手もあります。

この場合、ほぼリーダーフィッシングのようなものなのでタックルは渓流用でいいし、むしろ7ft台の短いロッドのほうが扱いやすいです。

当然、テーパーリーダーは不要。

3月以降の渓流解禁に向けて、前シーズンで残ったティペットを使い切るような使用方法でOK。

堤防際ギリギリやテトラの隙間、船の影などに#14から#18くらいのサイズのプランクトンのようなフライを落とし込むとメバルが飛び出してくることが多いです。

ただし10cm程度の本当に小さいサカナがほとんどですが。

ある程度のサイズを狙うとなるとやはりナイトゲームにならざるをえません。

フライパターン

小魚っぽいストリーマーやクラウザーミノー、甲殻類を模したクレイジーチャーリー、そして極小プランクトンフライの3パターンでほとんどのフィールドはカバーできます。

海フライの本3を参考に巻いたストリーマー。カマスにも使ってます。

自分の場合、フックサイズはストリーマーならTMC200R やTMC900BLの#10前後、チャーリーはがまかつSC15の#4から#8をベースに、近いサイズのエサ釣り用の針を使うことも多いです。

がまかつの「菅付丸セイゴ」や「波止カマス」、ささめ針の「カン付きグレ」などをよく使います。

安いですし。

クレイジーチャーリー。ソルトフライフィシングのベースとも言えるフライ。

エサ釣り用のフックにバーブレスはないので、カエシは潰しておきます。

夜間救急のお世話にはなりたくないので。

ヒレの大きさを見てもそのファイトの素晴らしさがわかるはず。

釣れてくるアベレージサイズはおそらく20cmに満たないメバル。

しかし、その大きさに見合わない、なかなかのファイトを見せてくれます。

特に25cmを超えた魚の引きは本当に強烈。

自分自身の記録は28cmなので、尺越えという大きな目標に向けてフィールドを開拓していきたいと思います。