※この話は日本人の約9割を占めるという右利きの人を前提としています。
フライフィッシングを始めてしばらくした頃、出会うリールに右巻きが多いことが気づきました。
どうやら販売されているリールの初期設定では、右巻きが一般的なようです。
でも、フライの場合、一連の動作のうち、ロッド操作の占める割合が結構大きいわけで、右手はキャスティングやメンディングに忙しい。
それに対し、左手の役割はラインを手繰ること。
そうなると、リールのハンドルもラインを扱う左手に預けたほうが、ロッドをわざわざ持ち替えることもなく理にかなっているんじゃないでしょうか。
それなのに右巻きが多いのは何でだろうと疑問に思ったわけです。
僕が子供の頃、使っていたスピニングリールは全て右投げ右巻きでした。
当時はそれが当たり前であって、左手でリールを巻くという考えすらなかったように思います。
おそらくフライリールに右巻きが多いのも、当時の名残なのかな、と。
フライの世界は特にヴィンテージやアンティーク人気が高いですし。
現在、ルアーフィッシングの世界では左ハンドルが主流ですよね。
基本は右手でキャストしたら、ロッドを持ち替えることなく左手でリールを巻く。
ただ、ターゲットによって使い分けているという人も多いと思います。
自分もロッド操作が重要な釣りではリールは左巻き、リーリング主体の場合は体に馴染んだ右巻きと使い分けてました。
例えばエギング、渓流ミノーイングなどでは左巻き。
シーバスやサーフのヒラメ狙いなんかでは右巻き、といった風に。
フライリールに関しても、やっぱり使い分けが必要だと思ってセッティングを対象魚によって変えています。
まず渓流。
これは当然、左巻きのほうがやりやすい。
とはいえ、ラインを巻き取る機会はそう頻繁にあるわけではないので、さほど気にせずとも良いのかも。
仮にどうしても欲しいリールが右巻き用しかなかったとしたら、僕ならまあ仕方ないかと買うでしょう。
その他、リールファイトになることがない魚種は全て左巻きで良いかと。
逆にバッキングラインまで引っ張り出してドラグを鳴らすようなターゲットの場合、今度は右巻きにしています。
左手でリトリーブしていくと、当然、身体の左側の足元にラインが溜まる。
そこでトレバリーのような一気にラインを持っていく魚が掛かるとどうなるか。
ハンドルノブにフライラインが巻きついてしまうことがあるんですよね。
その時点でティペットが切れてお終いです。
経験した人はその悔しさがわかるはず。
これが右ハンドルであれば、ライン側に余計なでっぱり、引っかかる部分がないのでスムーズにリールファイトに持ち込むことができる。
おまけにデカい魚に長いこと出されたラインを高速で回収するのにも利き手の右巻きのほうが有利です。
ライン番手でいえば、4番までは左巻き、5−7番は魚種次第、8番以降は右巻きってとこですかね。
ちなみにダブルハンドロッドを使う場合も、リールは右巻きが良いそうです。
ダブルハンドの釣りでリトリーブする際は、ロッドを右脇に挟んで保持します。
そこで、大型のニジマスや鮭などが掛かった場合、リールを逆転させて突っ走ります。
左ハンドルだと、その際に猛スピードで回転するハンドルノブが脇腹に当たって痛いんだとか。
ダブルハンドロッドに合わせるのも大型のリールなので、大型魚を狙う場合は右巻きが間違いなさそうです。
最近のリールはほとんどハンドルの左右切替が可能ですが、中にはそうでないタイプもあるので、サイズの大きいリールを購入する際にはハンドルの左右を確認したほうが良いかもしれません。