7番ロッドの汎用性

ジョコビッチ選手の入国問題で変に話題となったテニスの全豪オープン。

全米、全英、ウィンブルドンと合わせて4大大会を全て優勝することをグランドスラム制覇というわけですが、フライフィッシングの世界にもありますね。

 

いつかは行きたいフロリダ。

フライフィッシングのグランドスラムは、ボーンフィッシュ、パーミット、ターポンを1日で釣り上げること。

 

当然かなりハードルは高く、場所も海外。

キューバ、メキシコ、ベリーズ、コスタリカなどほぼ中米に限られます。

アメリカ人なら近いんでしょうけど、日本人にとっては行くだけでも大変。

これがターポンじゃなくGTであれば世界の色々な場所で狙えるんでしょうけど。

ただ難しい分、自分のようなソルトフライフィッシャーにとって成し遂げたい目標であることは間違いありません。

トレバリーなら南の島、どこでも釣れますね。

グランドスラム達成には、それぞれのターゲットにあったタックルが求められます。

よく言われているのが、ロッドはボーンフィッシュは8番前後、パーミットは10番前後、ターポンは12番。

 

ここで疑問に思うのは、出てくる数字がだいたい偶数であること。

ソルト用の高番手ロッドはなぜか奇数番手の影が薄い。

おそらく売れ筋も偶数番手でしょう。

 

自分も8番と10番は持ってますが、9番は無い。

シイラを釣りたいのでいずれ12番も欲しいと思いますが、11番を買う予定は今のところありません。

それというのも、番手が2つ違うと明らかに感触が変わりますが、1番手くらいならその前後で問題なく対応で切るからだと思います。

ゴルフと一緒で、素人には6番アイアンと7番アイアンの区別はつかないはず。

ベストを求めたら細かく使い分けたほうがいいんでしょうけど、必要十分条件を揃えるだけなら偶数番手を揃えればいい。

 

逆に、より少ないタックルでできるだけ賄いたいという場合は、奇数番手で良いのかもしれません。

9番と11番なら2セットで済む。

あまり使う機会のない高番手タックル一式を揃えるだけでもなかなか大変ですし。

ただ、そうそうチャンスがあるわけではない遠征では、ベストを尽くしたいという思いから予備タックルも含め多くのロッドを持っていきたくなるのが心情とは思いますが。

 

高番手ロッドの番手について、これは何もグランドスラムを目指す人に限った話ではなく、日本で海フライを始めようと思う人にも当てはまる話です。

 

例えば日本のソルトウォーターフライフィッシングの2大ターゲットであるシーバスとクロダイ。

 

シーバスは昔から8番ロッドを勧められることが多いように思います。

僕が最初に買ったフライロッドも8番でした。

投げるフライのサイズがある程度大きいし、強風時でも飛距離を稼ごうと思ったら確かに8番がベストかと。

コレが6番だと対応できるシチュエーションがだいぶ狭まる。

10番は明らかにオーバータックルです。

(ゲームチェンジャーなどのビッグフライはかなり特殊な人々向けなのでここでは除外。)

 

クロダイは、浜名湖など膝下くらいの極めて浅い場所でのサイトフィッシングなら6番がいいと思います。

サイトフィッシングは飛距離よりキャストの精度が求められる。

フライは小さくて軽いし、プレゼンテーションを正確かつ静かにできるほうが有利です。

東京湾など、深場をブラインドで狙う場合、重くて投げにくいフライを使うので8番がいいと思います。

 

じゃあその中間の7番はどうかと言ったら、正直なところ、それで多くのシチュエーションに十分対処できます。

というか、東京湾の僕の場合、ほとんど7番を使っちゃいます。

使っている7番ロッドが気に入っているというのもありますが、大きな理由はやっぱりコスト。

ラインだけでも凝り出したらキリがありません。

フライの場合はロッドとリールを一式揃えたらそれで終わりじゃなく、フライラインがいくつも必要になります。

シーバスならイワイミノー用はフローティングだし、ゾンカーなどを使う場合はシンキングが必要。

クロダイも同様で、サイトはフローティングライン、スイングはシンキングライン。

そのシンキングも、インタミからタイプ6までいくつもあります。

さらに使うラインの分、それを巻いておくリールか替スプールが必要になる。

6番と8番、それぞれ揃えようと思ったら、かなりの数のラインとリールを買わないとならなくなります。

渓流の合間にちょっとだけソルトをやりたいと思う人にとっては、コレはちょっと敷居が高いはず。

そこで7番ロッドです。

とりあえず7番を1本買って、フローティングとシンキングラインをいくつか揃えればかなり対応範囲が広がります。

シーバス、クロダイ以外にも、コイやマルタなどのウォームウォーターでも使えます。

7番ロッドはキャスティング練習としてもいいですし。

釣行回数がさほど多くない人にとっては、一つのタックルを使いこなすという意味でも、最初の1本としては7番ロッドがいいんじゃないでしょうか。