とにかく字が小さい。
ミッジを巻けない人間にはキツいレベルの文字サイズです。
でも、その小さい字でたっぷり256ページ、タイイングにまつわるアレコレだけでなく釣行記や旅行記もあり、フライをやる人ならジャンルを問わず楽しめる内容になっています。
対象魚はイワナ、ヤマメからイトウにアカメまで。
フライはテンカラ毛鉤からサーモンフライまで。
ハックルマニアには堪らないホワイティング社探訪記もあります。
あとがきにある備前 貢さんご本人の言、「縦横無尽」「温故知新」「ボーダーレス」というのがまさにこの本を端的に表す言葉かと。
ちなみに自分が数時間で音を上げたアカメのフライフィッシングについては、5日間の忍耐の末、見事に結果を出しています。
一廉の人物はやっぱ違うなぁ。
フライの巻き方についても懇切丁寧に書かれています。
スタンダードフライをはじめ、人気のマシュマロ系、ソフトハックル、クラウザーミノー、シルバーマーチブラウンなどニーズが高いモノがピックアップされてるのは嬉しいところ。
幾つか紹介されているストリーマーの中にはアカメを釣り上げたフライの巻き方も載ってました。
もちろんタイイング技術の高さは推して知るべし。
巻かれたフライはどれもこれも全て美しいとしか言いようがなく、眺めているだけで楽しくなります。
自分があまり器用でないこともあってかキャスティングほどハマっていないタイイングですが、改めてこの「ハッピータイヤーズ」を読み返してみて、フライフィッシングが持つ懐の深さを再認識しました。
僕の目標の一つに「自分の巻いたサーモンフライを額装して部屋に飾る」というものがあります。
現時点では夢に近いほど遠い目標ですが、在宅勤務を強いられている状況をチャンスと考え、少しでも前に進めるようタイイングレベルを上げたいと思います。
まずはクロダイ用フライをたくさん巻かねば!