フライとルアーの境界線

グリムリーパーというフライがあります。

コレです。

 

Grim Reaper。死神って意味らしいですが、デカいフックが鎌に見えなくもない。

どう見てもラバージグです。

もちろんバスを釣るためのフライです。

  

ここまでじゃなくても、けっこう「コレはフライと呼んでいいのか」ってものがあると思います。

フライフィッシングの対象がトラウトからソルトやウォームウォーターに広がっていくに従って、元々そこをテリトリーとしていたルアーとの境界が曖昧になってきているような。

  

でも、そもそもフライの定義って?

  

素材?

毛鉤というくらいだから、本来は鳥の羽や獣毛を針に巻いて虫などを模したものを指すんでしょうが、昨今のソルトフライじゃシンセティック素材を使うことのほうが多いですよね。

僕自身、最初は使うことに抵抗があったラバーレッグは、ソルトだけじゃなく色んなところで当たり前に使われてます。

逆に魚皮を使うことには賛否両論あると思いますし、天然素材ならなんでもOKと言うわけでもなさそう。

ただ、個人的意見として、単一素材をただ針に刺しただけのものはフライとは呼べないのかな、とは思います。

  

アクション?

ラバラに代表されるミノーのように、リップをつけたらフライとは呼べないと言う意見は多いような気がします。

なんとなく「フライ自身はアクションしてはいけないが、マテリアルの揺らめきなどはOK」って感じでしょうか。

でも、それだと物凄く釣れそうなアクションで人気のゲームチェンジャーはどうなのか?

また、ほとんどアクションしないイワイミノーを「アレはルアーだ」って言う人に会ったこともあるし、これも一概には言えないのかも。

 

今やシーバス狙いのド定番となっているイワイミノー。
でも使われ始めたのはそんなに昔のことではなく2000年代になってかららしいです。

うーん、わからん。

あるパターンをフライだとする人もいればルアーだとして認めない人もいる。

 

結局、この辺りはフライマン個々人の美学に依るんでしょう。

釣果を最優先させるなら手段はルアーや餌でも良いわけで、そこを敢えてフライで狙う以上、誰もが一応、自分なりのルールを持っている、はず。

そんな制約すら楽しめるフライフィッシャーが巻いたものならば、それは全てフライと言っていいんじゃないかなと僕は思うようにしてます。

人が楽しんでいることにイチャモンつけるのは粋ではない、ですよね!?

  

もちろんヒトのフライを見て「えー、コレは無いわ」と思うことはけっこうあります。

でも、自分がそのフライを使うわけじゃないですし。

そんなものフライじゃないと言ったところで、相手からしたらそれはあなたの感想ですよねって話です。

ヒトはヒト、自分は自分。

  

そんな自由度の高さこそが「フライ」なんじゃないかと思います。

キャストやアクションの都合上、ルアーに必要とされる一定の制限がフライにはない。

重過ぎ、デカ過ぎで投げられないってのはあると思いますが、ある程度ウデでカバーできますし。

あとは好み、美意識の問題。

趣味嗜好の話です。

  

グリムリーパーは自由の国アメリカ生まれ。

アレダメコレダメの既成概念を外れ、奇抜とも言える発想の中から色んなフライが生まれて来たほうがフライフィッシングの世界は絶対に面白くなると思いますし、そうやって今現在も海外を中心に発展しつつありますよね。

国内既存メディアからの情報は減少一方ですが、インスタやYoutubeなどから現在進行形の情報がいくらでも入手できて刺激を受けることの多い昨今。

今は下手でもいつかは自分も美しくて面白いフライ、そして何より魚を惹きつけて咥えさせるオリジナルのフライを巻きたいと思ってます。

 

でも、そしたらネーミングセンスも問われちゃいますな。

いやはや妄想が捗る。