2010年の発売以降、未だに高い人気を誇るG.LoomisのNRXが廃盤となりました。
僕にとってNRXの最初の印象といえば、やっぱりそのコスメ。
ブルーのガイドラッピングを見ただけで、このロッドは無いな、と。
ソルト用に8番ロッドを探していた当時、すでに色々なところで高く評価されていたNRXですが、あまりにもダサく思えてしまって選択肢には入りませんでした。
この見た目に対する感想は僕だけじゃなかったようで、いつのまにか6番以下のトラウト向けモデルはグリーンのわりとシックなカラーに統一され、ブルーは7番以上のソルト用のみになっていたようです。
やっぱりみんなアレは嫌だったんだな。
しかし、不思議なもので、これがだんだん欲しくなってくるわけです。
南の島のフラットでボーンフィッシュを狙っている映像の中に、このブルーのラッピングが出てくると、まあそんなに悪く無いんじゃない、とか思えてきて。
いや、むしろカッコよくないか、なんて。
「美人は三日で飽きるが、ブスは三日で慣れる」ってやつですかね。
個人的にはWinstonとかThomas&Thomasなんかのデザインが好きなんですが、そのT&TさえEXOCETTみたいなそっくりなロッドを出してきたことも、ソルトフライ界におけるNRXの存在感を示してるように思います。
で、しばらくして結局、NRX1088−4を買ってしまいました。
ちなみにルーミスのモデル名は、ロッドの長さをインチ表記しているんでちょっとややこしい。
“1088-4”は9フィート8番、4ピースのロッドです。
ロッド本体にはわかりやすく「9’#8」って書いてありますが。
このロッド、バットはかなりパワーがあって非力な僕の細腕じゃ性能を最大限に活かせるほど曲げきれない…
キャスティングにおける筋トレの重要性を説くスティーブ・レイジェフが作ったロッドだけあって、使い手にも相応のパワーを求めて来ます。
でも全体が棒のような硬いロッドではなく、バットと比べるとティップは比較的しなやかなのでラインの乗りがわかりやすい。
キャスティング修行中の僕の腕でもフルラインが出ますが、上手い人ならかなりの距離を出せそう。
重さについて、世に出た当時は軽いと言われてたようですが、さすがに10年近く前のことなので、最近のハイエンドロッド群と比べたら決して軽いという印象はないかと。
同じ番手のヘリオスⅢとアスキスを触らせてもらったことがありますが本当にめちゃくちゃ軽いです。
NRXはそれらのような驚くような軽さはありませんが、その分、カーボンがみっちり詰まってるような感じ。
滅多なことでは折れそうもない安心感があります。
万が一折れたとしても、ルーミスは生涯補償なのでその点も頼もしい。
ストリッピングガイドはRECリコイルガイド。
ブランクのタフさに加えて、柔軟性があって壊れにくいこのガイドも耐久性に貢献しています。
このガイドは非常に軽く形状記憶の特性があり、リングが入っていないので割れる心配も少ないとのこと。
摩擦係数もSicに近い数値が出ているそうです。
ただ見た目がどうも安っぽいというかイマイチで、個人的にはチタンのSICガイドのほうが好み。
実際はRECリコイルガイドのほうが高コストっぽいですけどね。
グリップはフルウェル。
アメリカンサイズで太めかと思いましたが、特に違和感なく問題なし。
コルクは一部に圧縮コルクが使われてます。
握った感じ、ちょっとしっとりとしたというか独特のグリップ感があります。
はじめは食わず嫌いだったNRX。
しかし、このNRX1088-4を実際に使ってみて、ティップは繊細、バットはしっかりというルーミスのアクションに惚れ込んでしまいました。
廃盤とはいえ遠距離用という意味に限って言えば、この1088が8番ロッドの頂点という評価は未だ衰えず。
身近なシーバス用として、また、いつかは行きたい南の島のフラット用として使い込んで行こうと思います。
今ではすっかりルーミスファンのワタクシ。
8番以外にも徐々にルーミスロッドが増えつつありますが、そんな自分にとって廃盤に伴う在庫一掃セールは絶好のチャンス。
今後は手に入らないという焦燥感の後押しもあって以前から欲しかったモデルを追加で買ってしまいました。
安く手に入れられたのは嬉しいけど、急な出費で懐具合にダメージが…