然別湖特別解禁 セカンドステージ Day1

もう3ヶ月も前のことになってしまいましたが、然別湖の特別解禁セカンドステージに行ってきました。

大雪山国立公園唯一の自然湖である然別湖。

その然別湖といえばミヤベイワナ。

オショロコマの固有亜種で、然別湖のみに生息する美しい魚です。

コイツの姿を一度は拝んでみたくて、今回、挑戦してきました。

まず然別湖特別解禁について少し。

「グレートフィッシング然別湖」との名前で、1年のうち50日間のみ、1日50名限定で特別に釣り人に開放されます。

初夏と秋の2ステージがあり、2022年は下記のスケジュールでした。

2022年度 然別湖特別解禁スケジュール

[ファーストステージ]5月26(木)〜6月27日(月)33日間

[セカンドステージ] 9月16日(金)〜10月2日(日)17日間

秋は短く、しかも悪天候で中止になる場合があることを考えると、実質的に釣りができるのは2週間も無いかもしれません。

そんな中で遠征組の僕が二日間、ロッドを振れたのは幸いでした。

インスタなんかによく出てくる水中線路

9月21日(水)。

6時過ぎにボート桟橋近くの受付にて手続きを済ませた後、簡単なレクチャーがありました。

ここでレギュレーションやポイント、最近の釣果状況などについて教えてもらえます。

スタッフの話によると、水温が比較的まだ高くニジマスは絶好調ながら、ミヤベイワナには厳しい状況とのこと。

まあこの状況は出発前に公式サイトの釣果情報にて確認していたので、ある程度は覚悟の上。

それでもせっかく然別湖に来たからにはミヤベイワナを狙わないわけにはいきません。

ミヤベイワナのタナは15-20mの深場とのこと。

そんなところを攻めようと思ったら普通のフライキャスティングではまず無理です。

重めのシンキングラインを使ってのトローリング、フライ用語でいうハーリングで湖中央を狙います。

ハーリングのシステムは、フライフィッシャー No.301 p.77を参考にしました。

ランニングラインフロロ8号を200m。

ヘッドはWF-6Sのタイプ6を20mにカットしたもの。

リーダーはフロロ9ft 3Xで、ティペットはなし。

ラインキャパが多く巻き取りスピードの早いリールが良いです。

本来はレッドコアラインを使うところだと思います。

でもタイプ6のヘッドだと、シンクレートがおよそ1分で10m。

計算が楽で狙ったタナを攻めやすくなる。

また、このシステムは中禅寺湖でレイクトラウトも狙うために考えられたようなので、

来年は初レイクを釣ってみたいと思っていた自分は、流用することも想定してこのシステムにしました。

通常のフライフィッシングとは違い、大量のラインを巻く分、リールはデカいのが必要となります。

いざ手漕ぎボートに乗り込み出船。

少し沖に出てから、軽くキャストしてラインを慎重に伸ばし始めます。

重要なのは、水中のフライとラインの状態をイメージすること。

フライがリーダーに絡んでいたりしたら、全ての時間が無駄になるのでトラブルは大敵。

フライとラインとロッドが常に一直線になるように、ゆっくりとラインを出していきます。

すると予定していた長さのラインを出しきっていないにもかかわらずロッドに反応が。

上がってきたのは、サクラマスと呼ぶにはあまりにも小さすぎるスモルト化したヤマメ。

狙っていたサカナではないものの、ボウズはなくなり一安心です。

やや細いけど姿形はサクラマス。ただ、そのサイズ、尺どころかわずか7寸ほど。

そこからしばらく漕ぎ続けたものの、銀毛ヤマメを追加するのみで本命のアタリはなし。

なんせ初めてのハーリングなので、本当にこのやり方であっているのかと疑心暗鬼になってきます。

9時半頃から岸際でライズが頻発するようになってきました。

そこで、一旦、岸釣り可能エリアに上陸してライズを狙ってみることに。

ちなみに、この然別湖、原則、徒歩で岸釣りエリアにはいけません。

ボートを借りる、または持ち込んで上陸するか、渡船サービスを使うしかないので貸切状態を味わえます。

ライズしているのはニジマスと銀毛ヤマメ。

ボコボコとライズが起こる中、目の前をデカいニジマスがクルージングしていきます。

このシチュエーション、フライフィッシャーとして楽しくないわけがない。

ミヤベイワナそっちのけで夢中になってしまいました。

エルクヘアカディスはここでも強かった。

ただ、タックルが5番だったので銀毛ヤマメにはオーバースペック。

そして残念なことに、レインボーは釣れず終いでした。

あっという間に時間が過ぎていくので、適当なところで切り上げてミヤベイワナ狙いに戻ります。

銀毛ヤマメが釣れてしまうということは、思った以上に浅いタナを攻めていたからだろう。

そこで、前よりも時間をかけてゆっくり、長くラインを沈めていきます。

100m以上ラインを出して湾を横断していると、これまでにないハッキリとしたアタリで大きくロッドが曲がりました。

慌ててリールを巻き始めるも、アタリの大きさのわりにあまり手応えがなく、魚が掛かっているのかすら怪しい感じ。

大量に出ているラインを苦労して回収していき、ようやく青味がかった魚体が見えてきました。

そして魚からもボートが見えたからか、今になって激しく抵抗されます。

ドキドキでしたが、なんとかランディングネットに収まったのは40cmほどのミヤベイワナ。

デカい尾鰭に野生を感じます。

本当にカッコいい魚です。

もう1枚。ブルーバックが美しい。

一眼レフを持ってくるべきだったなと少し後悔しつつ、iPhoneで写真を撮りまくりました。

ヒットフライは、こんな感じのヤツ。

ブロブマラブー。ミジンコにもエッグにも見えます。

釣行の準備をするまで知りませんでしたがミヤベイワナの主食はプランクトン。

なので、プランクトン塊をイメージしたものにしてみましたが、おそらくタナさえあっていれば何でも良かったんじゃないかなと思います。

ネットの中の魚を名残惜しい気持ちでリリース。

さて、お目当ての魚を見ることができて満足したし、ハーリングは面白さという点ではイマイチなので岸際のライズ狙いに戻ります。

しかし、ニジマスは結局、この日は釣ることができず、最後にエゾウグイを釣って14時にロッドオフ。

エゾウグイも初物でした。

えっちらおっちらボートを漕いで桟橋に戻り、セカンドステージ1日目を終えました。

2日目に続く)

この日の宿泊地、然別湖北岸野営場の夕焼け。